参考情報

被害写真の撮り方+
罹災証明ナビ

2026年7月28日 熊本県熊本地方を震源とする地震で被災されたあなたへ。罹災証明・保険請求で後悔しないための「撮り方」をまとめました。

片付ける前に、
まず撮る。

散乱した部屋も、崩れた塀も、写真がそのまま「被害の証拠」になります。片付けたり応急修理をした後では、被害の程度を証明することが難しくなります。罹災証明書の被害認定調査でも、地震保険・火災保険の請求でも、写真が生きてきます。

ブルーシートを掛ける前に。割れたガラスを掃く前に。まず、撮ってください。枚数は多すぎるくらいで大丈夫です。あとで消せます。

ただし、命が最優先です。 余震が続いています。傾いた建物・瓦が落ちそうな軒下・崩れかけたブロック塀には近づかないでください。有明海・八代海の津波注意報は7月28日18時10分に解除されましたが、写真は安全が確認できてからで構いません。 ※この安全情報は2026年7月28日夜時点のものです。最新の状況は気象庁・自治体の発表をご確認ください。

撮る前の1分でやること

  1. スマホの日時・位置情報の記録をONにする(iPhone:設定→プライバシーとセキュリティ→位置情報サービス→カメラ。Android:カメラアプリの設定→位置情報タグ)。写真に「いつ・どこで」の記録が残り、証拠としての価値が上がります。
  2. 今日の新聞・日付が分かるものを用意する(あれば)。写り込ませると撮影日の裏付けになります。
  3. メジャー(コンベックス)か定規を用意する。なければ、大きさの分かるもの(ペットボトル・スマホ等)を代わりに当てます。
  4. 充電を確保する。停電中はスマホの画面を暗くし、撮影以外の使用を控えて電池を残してください。

被害写真の撮り方ガイド

工事現場では、施工の記録写真を「後から第三者が見て状況が分かるか」という基準で毎日撮ります。被害写真もまったく同じ考え方で撮れば、調査員さんや保険会社の担当者さんに伝わる写真になります。

基本の5原則

  1. 全景→中景→近景の順で3点セット。まず建物全体(全景)、次に被害のある面や部屋(中景)、最後にひび割れ等の寄り(近景)。近景だけでは「どこの被害か」が伝わりません。
  2. 建物の外は4面すべて全景を撮る。被害が見当たらない面も撮ります。「被害がない」ことの記録も認定調査では意味を持ちます。
  3. 近景にはメジャーや新聞を当てる。ひび割れの幅・長さ、傾き、浸水の深さが数字で伝わります。日付入りの新聞は撮影日の裏付けにもなります。
  4. 枚数は多めに撮る。迷ったら撮る。ブレたら撮り直す。あとで消せますが、あとから撮り直すことはできません。
  5. 撮った写真は消さない。できれば電波が回復したタイミングでクラウドや家族への送信でバックアップを。スマホの紛失・故障に備えます。

図解:全景→中景→近景の3点セット

1

全景:建物の全体を入れる

2

中景:どの面・どの部屋か分かる距離

3

近景:ひびの寄り+メジャー当て

同じひび割れ(丸印)を、引き→中間→寄りの順で最低3枚。近景だけでは「どこの被害か」が伝わりません。

図解:家の4面の回り方

自宅 1 北面 2 東面 3 南面 4 西面 1 撮影位置と番号 回る順路

家の外周を1→2→3→4の順にひと回りし、4面すべての全景を撮ります。被害が見当たらない面も撮ってください(「被害がない」ことの記録になります)。

図解:メジャー・新聞の当て方

直角

メジャーはひびに直角に当てる(幅・長さを測る)

7.28

日付の分かる新聞を一緒に写す

メジャーがなければ、大きさの分かるもの(ペットボトル・スマホ等)でも構いません。新聞は撮影日の裏付けになります。

伝わる写真にするコツ

  1. 引きと寄りは同じ立ち位置から。その場でズームせず一歩も動かずに2枚撮ると、あとで「この寄りはこの場所」と対応づけできます。
  2. 被害箇所は指差しかメジャーで示す。細いひびは写真では見つけにくいもの。指し示すだけで一目で伝わります。
  3. 傾きは「まっすぐな物」と一緒に撮る。柱や塀の傾きは、下げ振り代わりに紐+重り、または隣の電柱・サッシ枠など垂直の基準と並べて撮ると分かります。
  4. 浸水・津波の痕は「水位の跡」を撮る。壁に残った泥の線・変色ラインにメジャーを当てて、床からの高さが分かるように撮ります。
  5. 暗い場所はフラッシュ+手ブレ注意。停電中の室内は壁に肘を付けて構えるとブレません。ガス漏れの臭いがする場所では電気機器を操作しないでください。

部位別 撮影チェックリスト

撮り漏れ防止用です。撮った項目にチェックを付けてください(チェックはこのスマホの中だけに保存されます)。該当しない部位は飛ばして構いません。

図解:屋根は地上からズームで

地上から離れて、ズームで撮る

屋根に登って撮るのは危険

屋根の被害は、道路や隣地など安全な場所からズームで撮ります。余震が続くなか、屋根やはしごに登るのは絶対にやめてください。撮れない範囲は無理をせず、修理業者さんの調査時の写真で補えます。

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罹災証明書とは

地震・水害などの災害で住まい(住家)がどの程度の被害を受けたかを、市町村が調査して証明する書類です。災害対策基本法に基づき、申請を受けた市町村が被害認定調査を行って交付します。これからの生活再建で使う支援の多くが、この証明書を入り口にしています。

出典:内閣府 防災情報のページ「災害に係る住家の被害認定

何に使えるか

  1. 被災者生活再建支援金 住宅の被害程度と再建方法に応じた支援金(下の表を参照)。
  2. 義援金の配分 被害程度に応じて配分されるのが一般的です。
  3. 応急仮設住宅への入居・住宅の応急修理 災害救助法による住まいの支援。
  4. 公費解体 被害を受けた家屋の解体・撤去を市町村が行う制度(対象範囲は災害・自治体ごとに決まります)。
  5. 税・保険料・公共料金などの減免や猶予 自治体・機関により内容が異なります。
  6. 地震保険などの請求時の参考 保険の損害調査は保険会社が別に行いますが、罹災証明書や被害写真の提出を求められることがあります。

出典:内閣府 防災情報のページ「被災者支援」(被災者支援に関する各種制度の概要)。個々の制度の適用有無・条件は災害・自治体ごとに決定されます。

申請から交付までの一般的な流れ

  • 1. 被害を写真で記録する(今ここ)
    片付け・応急修理の前に撮る。このページの撮り方ガイドの通りで大丈夫です。
  • 2. 市町村に申請する
    窓口・郵送・オンラインなど、受付方法と開始時期は市町村が災害後に告知します。本人確認書類が必要です。被害写真の提出を求められる場合があります。
  • 3. 被害認定調査を受ける
    市町村の調査員さんが現地で被害程度を調査します。被害が比較的軽い場合、写真により判定する方式(自己判定方式)が使われることもあります。
  • 4. 罹災証明書が交付される
    被害程度(全壊〜準半壊に至らない)が記載されます。判定に納得できない場合は再調査を依頼できます。
受付開始時期・必要書類・調査の進め方は市町村ごとに異なります。必ずお住まいの市町村の案内で確認してください(下の窓口リンク参照)。

被害認定の区分(目安)

住家の損害割合(経済的被害の割合)に応じて、次の区分で認定されます。

区分損害割合の目安
全壊50%以上
大規模半壊40%以上 50%未満
中規模半壊30%以上 40%未満
半壊20%以上 30%未満
準半壊10%以上 20%未満
準半壊に至らない(一部損壊)10%未満

出典:内閣府「災害に係る住家の被害認定基準運用指針」(内閣府 防災情報のページ)。実際の判定は市町村の調査によります。

被災者生活再建支援金の概要

被災者生活再建支援法に基づく支援金です。基礎支援金(被害程度に応じて)と加算支援金(再建方法に応じて)の2階建てです。

被害程度基礎支援金加算支援金(再建方法に応じて)
全壊100万円建設・購入 200万円/補修 100万円/賃借 50万円
大規模半壊50万円
中規模半壊建設・購入 100万円/補修 50万円/賃借 25万円

出典:内閣府 防災情報のページ「被災者生活再建支援法」。単身世帯は各金額の4分の3です。制度の適用有無・申請方法は都道府県・市町村の告知で確認してください。

このほか、義援金・応急修理・公費解体・各種減免など、今回の地震にどの支援が適用されるかは今後、国・熊本県・各市町村から順次発表されます。手元の写真と罹災証明書があれば、発表を待って落ち着いて手続きできます。
免責事項
本ページは被災された方の生活再建を後押しするための参考情報です。正式な手続き・要件・支援の内容は、必ずお住まいの市町村にご確認ください。制度の適用有無・受付時期・必要書類は災害・自治体ごとに異なります。本ページの情報は2026年7月28日時点で作成したもので、内容の正確性・最新性を保証するものではなく、本ページの利用により生じた損害について作成者は責任を負いかねます。危険な建物・区域には立ち入らず、身の安全を最優先に行動してください。

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