被災された方向け・保存版 2026年7月28日 熊本地震

復旧工事の悪質業者チェックリスト

熊本地震で被害を受けたあなたと、あなたのご家族へ

このたびの地震で被害を受けられた皆さまに、心よりお見舞い申し上げます。

最初に、いちばん大事なことをお伝えします。
地元の工務店さん・職人さん・業者さんの大半は、誠実です。
地震のあとは、自分の家を後回しにしてでも応急対応に走り回ってくれる業者さんが大勢います。

ただ、大きな災害のあとには、そうした誠実な業者さんの間に紛れて、被災した方の不安につけ込む悪質な業者が必ず入り込んできます。2016年の熊本地震のあとも、2024年の能登半島地震のあとも、同じ手口のトラブルが繰り返され、国民生活センターが注意を呼びかけてきました。

この資料は、あなたとご家族、ご近所の方を守るためのチェックリストです。特にご高齢のご家族がいる方は、この紙を一緒に見ながら話しておいてください。屋根工事の点検商法は、契約者の8割超が60歳以上です(国民生活センター調べ・2022年度)。

1.被災地で繰り返されてきた典型的な手口

手口1 突然の訪問「近くで工事をしていて、お宅の屋根が壊れているのが見えた」

点検商法と呼ばれる代表的な手口です。「無料で点検します」と屋根に上がり、「このままだと瓦が飛んでご近所に迷惑がかかる」と不安をあおって、その場で契約を迫ります。点検中にわざと壊す悪質な例も報告されています。

対処 頼んでいない点検は断る。屋根には上がらせない。地上から撮った写真だけでは即断しない。

手口2 「火災保険(地震保険)を使えば自己負担ゼロで直せる」

「保険金が使える」を入口にした勧誘は、国民生活センターへの相談が急増してきた手口です。実際には保険金が下りなかったり、見積りと違う工事をされたり、ずさんな工事のまま連絡が取れなくなる例があります。うその理由で保険金請求をさせられれば、あなた自身が不正請求に加担させられることになります。

対処 保険を使うかどうかは、業者ではなく、あなたが契約している損害保険会社・代理店に先に電話して確認する。

手口3 保険金請求の「代行」「サポート」と成功報酬の契約

「保険金が下りるよう申請をサポートします。手数料は保険金の何割」という契約です。国民生活センターの発表では、手数料が保険金の3〜4割、解約しようとすると保険金の50%を解約料として請求された事例が報告されています。

対処 保険金の請求は、加入者本人が無料でできます。代行は不要です。書き方が分からなければ保険会社が教えてくれます。

手口4 不安をあおって即日契約・前金の要求

「今日契約しないと余震で崩れる」「今なら特別価格」「先に材料費を全額」。急がせるのは、比較させないため・考えさせないためです。まともな業者さんは、契約を急かしません。

対処 その場で契約しない。前金の全額払いには応じない。「家族と相談します」と言って持ち帰る。

手口5 格安のブルーシート張りから、高額な本工事への誘導

「ブルーシートを無料(格安)で張ります」と恩を売り、そのまま「本工事もうちで」と高額な契約につなげる手口です。応急処置をしてもらった相手に断りづらくなる心理を突いてきます。

対処 応急処置と本工事は別の話。応急処置をしてもらっても、本工事は相見積もりを取ってから決めてよいのです。

2.その場でできるチェックリスト

業者さんが訪ねてきたら、契約書にサインする前に、一つずつ「はい・いいえ」に印を付けてください。

一つでも「いいえ」があったら、その日は契約しない。
本当に必要な工事なら、1日考えても手遅れにはなりません。
建設業許可の調べ方 国土交通省の「建設業者・宅建業者等企業情報検索システム」で、会社名から無料で検索できます(どなたでも使えます)。
https://www.mlit.go.jp/totikensangyo/const/sosei_const_tk3_000037.html
検索サイトで「建設業者 検索 国土交通省」と調べても同じページに着きます。
※税込500万円未満の工事は許可がなくても請け負えるため、許可がない=悪質、ではありません。ただし、許可のある業者さんは所在地・経歴が行政に登録されており、確認材料になります。

3.まともな業者さんの見分け方

現場で信頼される業者さんには、共通点があります。

「すぐできます・全部できます・保険でタダです」が三つ揃ったら、いったん立ち止まってください。

4.契約してしまったら・困ったら

訪問販売なら、書面を受け取った日から8日間はクーリング・オフ(無条件解約)ができます。書面に不備がある場合や、業者に妨害された場合は、8日を過ぎても解約できる可能性があります。あきらめる前に、下の窓口へ相談してください。

保険の請求は、まずあなたが契約している損害保険会社・代理店へ直接電話を。請求は本人が無料でできます。

少しでも「おかしいな」と思ったら、一人で抱えず、次の窓口へ。相談は無料です。

相談先電話番号受付こんなとき
消費者ホットライン 188(局番なし) 年末年始を除きほぼ毎日 迷ったらまずここ。最寄りの消費生活センターにつながります
熊本県消費生活センター 096-383-0999 平日 9:00〜17:00 契約トラブル・クーリング・オフの相談
熊本市消費者センター 096-353-2500 平日 9:00〜17:00 熊本市にお住まいの方の契約トラブル相談
住まいるダイヤル
住宅リフォーム・紛争処理支援センター
0570-016-100 平日 10:00〜17:00 一級建築士による相談。契約前の見積りチェックの助言も受けられます
警察相談専用電話 #9110 平日 8:30〜17:15(都道府県により異なる) 強引な勧誘・居座り・脅し。身の危険を感じたら迷わず110番

※電話番号・受付時間は2026年7月28日時点で各機関の案内ページにて確認したものです。おかけ間違いにご注意ください。受付時間は災害対応で変更される場合があります。

この資料について

本資料は被災された方向けの参考情報であり、個別の契約の有効性・保険適用の判断はできません。実際の判断は上記の相談窓口・契約先の保険会社・専門家にご相談ください。手口・統計・制度の記述は、以下の公的機関の公表資料に基づいています(いずれも2026年7月28日閲覧)。

  1. 国民生活センター「ご用心 災害に便乗した悪質商法」 kokusen.go.jp/soudan_now/data/disaster.html
  2. 国民生活センター「屋根工事の点検商法のトラブルが増えています」(2023年10月11日公表) kokusen.go.jp/news/data/n-20231011_1.html
  3. 国民生活センター「保険金で住宅修理ができると勧誘する事業者に注意!」(2021年9月2日公表) kokusen.go.jp/news/data/n-20210902_2.html
  4. 国民生活センター「『保険金を使って自己負担なく住宅修理ができる』と勧誘されてもすぐに契約しないようにしましょう!」(2020年10月1日公表) kokusen.go.jp/news/data/n-20201001_1.html
  5. 国民生活センター「クーリング・オフ」 kokusen.go.jp/soudan_now/data/coolingoff.html
  6. 国土交通省「建設業者・宅建業者等企業情報検索システム」 mlit.go.jp/totikensangyo/const/sosei_const_tk3_000037.html
  7. 国民生活センター「全国の消費生活センター等・熊本県」 kokusen.go.jp/map/ncac_map43.html
  8. 熊本市「熊本市消費者センター」 city.kumamoto.jp/kiji00317/index.html
  9. 住まいるダイヤル「電話相談サービスのご案内」 chord.or.jp/consult_tel/call.html
  10. 政府広報オンライン「警察に対する相談は警察相談専用電話『#9110』番へ」 gov-online.go.jp/article/201309/entry-7508.html

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